横浜・中区&西区の民泊ガイド|観光都市で民泊を成功させるには?

横浜市中区・みなとみらいエリアの観覧車

みなとみらいや中華街、赤レンガ倉庫など、全国的にも有名な観光地が集まる横浜・中区&西区。
東京からのアクセスも良く、海の景色や異国情緒あふれる街並みに惹かれて、年間3,700万人以上が訪れる観光都市です。

ただ、このエリアはホテルの数も多く、宿泊施設の選択肢が豊富。
そんな中で、あえて「民泊」というスタイルを選ぶ意味とは?
この記事では、横浜という街の特徴や、民泊運営時の注意点、そして“民泊だからこそできること”を、現場目線でお伝えします。

1|観光・イベント・結婚式まで、多様なニーズが集中するエリア

横浜市西区・南区エリアは、観光・ビジネス・イベント・家族行事など、滞在目的が幅広く、宿泊ニーズが一年を通じて安定しています。

みなとみらい
横浜を代表するベイエリアで、観覧車や高層ビル群が夜景を彩ります。ショッピングモールや美術館なども多く、カップルや家族連れに人気です。

中華街
本格中華を気軽に楽しめる、日本最大級のチャイナタウン。飲茶やスイーツの食べ歩きも、観光の醍醐味です。

山下公園・大さん橋
横浜港を望む開放的なエリアで、散歩やベンチ休憩にぴったり。クルーズ船が停泊する大さん橋は、海の玄関口としても知られています。

赤レンガ倉庫・馬車道
明治〜大正時代の面影を残すレトロな街並みが広がるエリア。季節ごとのイベントやアート展示も充実しています。

野毛・関内
ローカルな飲み屋街が広がる、大人の夜の街。昔ながらの居酒屋から個性的なバーまで、多彩な飲食文化が魅力です。

その他にも、ライブや展示会が行われる「パシフィコ横浜」や「横浜アリーナ」へのアクセスも良好。また、 山手エリアには結婚式場が多く、週末は親族の宿泊ニーズも高まります。

2|民泊に追い風?宿泊需要の回復と傾向

観光客数はすでにコロナ前の水準に回復し、2024年には約3,773万人が横浜を訪れました。
宿泊消費額も過去最高の約4,564億円。
平均滞在日数は2.8泊とやや長めで、特に家族やグループでの旅行では、民泊の需要が高まる傾向にあります。

横浜市「令和6年 観光統計調査結果(速報値)」
横浜市観光動態・消費動向調査2023年度版(PDF)

3|気をつけたい「横浜市の上乗せ条例」

横浜市では、住宅宿泊事業法に加え、市独自の上乗せ条例が設けられています。
なかでも注意すべきなのが、用途地域による営業日の制限です。

たとえば、低層・中高層住居専用地域では月曜正午〜金曜正午の営業が禁止されており、実質的に週末のみの営業となります。
その結果、年間で稼働できる日数が100日以下に圧縮されるケースもあるため、物件選定の段階で用途地域の確認は必須です。

そのほかの主なルール

  • 近隣住民への書面通知(苦情対応の責任明示)

  • 30分以内の駆け付け体制が必須(ホスト or 委託業者)

  • 清掃・ゴミ出し管理の徹底

  • 宿泊者名簿などの帳簿管理が義務

条例を避けたい場合の選択肢

営業日数の制限を避けたい場合は、まず「商業地域」や「準工業地域」など、用途制限の緩いエリアで物件を選ぶのが基本です。
これらの地域では、平日も含めて営業可能なため、条例の影響を最小限に抑えることができます。

もう一つの選択肢としては旅館業(簡易宿所)許可の取得があります。
許可を取得できれば、年間の営業日数や曜日の制限を受けずに安定した運営が可能ですが、建物の構造や立地、消防設備など、より厳しい条件を満たす必要があります。物件によっては許可取得が不可能な場合もあるため、事前の確認が必須です。

4|民泊ならではの、使いやすさと便利さ

横浜にはホテルがたくさんありますが、家族やグループでの旅行、ちょっと長めの滞在には、民泊のほうが便利なケースも多くあります。

たとえば――

  • 結婚式のあとに、親族や友人とゆっくり過ごしたいとき
     広めの部屋や一棟貸しなら、みんなで同じ場所に泊まれて、翌朝ものんびりできる。

  • 中華街や元町でテイクアウトを楽しみたいとき
     キッチン付きなら、温め直したり、みんなで食卓を囲んだりしやすい。

  • 夜景やお酒を楽しんだあと、移動せずにそのまま泊まりたいとき
     終電の時間を気にせず、近くの宿でゆっくりできる。

  • 展示会やライブの遠征で前泊・後泊したいとき
     柔軟に予約できて、ホテルよりリーズナブルなことも。

  • 出張や観光で、数日間滞在する予定があるとき
     洗濯機やキッチンがあると、普段の生活に近い感覚で過ごせる。

このように、状況に合わせた使い方ができるのが民泊の強みです。
ホテルとは違う選択肢として、うまく活用すればとても便利です。

5|横浜で民泊を成功させるためのポイント

民泊を始めるうえでのアドバイスを、いくつかご紹介します。

  • 物件選びの時点で用途地域を確認
    → 条例の影響で、営業可能日が大きく変わるため必須です。

  • 競争が激しいからこそ、差別化が大事
    → 内装や価格設定、レビュー対応で「選ばれる宿」に。

  • 旅館業許可の取得も検討を
    → 安定した営業を望むなら、制度選びは戦略的に。

  • 信頼できる代行会社や清掃業者を選ぶ
    → 条例対応も含めて、運営負担をプロに任せるのも有効です。

まとめ|横浜での民泊運営は、ルール理解と戦略次第

横浜・中区&西区は、観光にもビジネスにも強みのあるエリア。
ただし、民泊運営には条例への理解と、競合に埋もれない“魅力ある宿”づくりが欠かせません。

「ホテルの代わり」ではなく、“ホテルにはできないこと”を提供する宿泊スタイルとして民泊を考える。
その視点を持てば、このエリアでもしっかりと収益をあげるチャンスは十分にあります。

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